睡眠状態の改善
1.眠れないしんどさ
みなさんはしっかりと睡眠をとれているでしょうか。
睡眠は心身の健康にとってとても重要な要素です。睡眠の質はその時々の体調や心理状態とも関連しているため、よく眠れる日もあれば眠れない日もあるなど波があるかもしれませんが、眠れない日が数日あったとしても後から脳がバランスをとるため、それですぐに健康に問題が生じることは少ないと思います。
しかし、脳がバランスをとれる範囲を超えて眠れないことが続いてしまうと、当然ながら健康面に影響が表れてくることもあります。また、睡眠がとれているとしても入眠困難であったり中途覚醒があったりすると熟眠感が得られず、眠れていないという感覚が強くなり、すっきりしない気分状態が続いてしまうかもしれません。
睡眠の状態は生活リズムと関連しているため、一度乱れてしまうと睡眠状態を改善していくにはどうしても時間がかかってしまいますが、睡眠覚醒のリズムや食事、日中の活動状況などを見直していくことで少しずつでも改善していくことができると思います。
見直していくポイントをいくつか考えてみたいと思います。
2.リラックスが大事
眠れていないという感覚が続くのはなかなか辛いものがあります。眠れない状態で布団の中にいるのもしんどさがあると思いますし、朝起きてからもぼんやりしたり気持ちの良くない感じがしたりするかもしれません。
眠れていなかったとしても布団に入って目をつぶっていれば休息の効果はあるのですが、その状態のまま時間を過ごしていることが苦手な人もいると思います。
眠れない原因は色々ありますが、ひとつに自律神経系の緊張・興奮状態があります。交感神経の働きが優位な時は何かしらの活動を行う場合にはいいのですが、休息や睡眠には適していません。休息や睡眠をとる時にはリラックス状態をつくり副交感神経の働きを優位にすることが大切になります。
そのため自分がリラックスできる方法をいくつか見つけておくといいと思います。部屋をできるだけ暗くする、温めた飲み物を少量飲む、アロマやお香をたくなど。また、頭が働いて考えが止まらない時には自分の身体の感覚に意識を向けてみるといいかもしれません。身体の力を抜く感覚を掴めるとリラックスに役立つと思います。
3.生活習慣を見直してみる
1回1回の睡眠をいかにとっていくかも大切なことですが、安定した睡眠状態を得るためには毎日の生活リズムを安定させていくことが重要になります。睡眠起床や食事の時間を一定にする、活動する時間と休息する時間のメリハリをつけるなどでリズムをつくっていくことができると思います。また、1日あるいは1週間単位で活動の記録をつけていくと、自分の生活状況を振り返り見直していくことに役立つと思います。
生活リズムはある程度の期間をかけてつくられていくものなので、一朝一夕で変えていくことは難しいです。そのため生活状況を意識して変えていくこと、そしてそれを続けていくことが重要です。
変えていくことが難しいものに生活習慣があります。生活習慣は長年続けているもので、自分なりのやり方や好みなど、その人らしさが表れるものでもあります。そのため「癖」のように半ば無意識的に行っていることもあるでしょうし、それをやらなければ落ち着かないような活動もあるかもしれません。飲酒の習慣や灯りの使い方などが睡眠に関連するでしょうか。
生活習慣の全てが直接睡眠に関連しているわけではありませんが、眠れないことに関連している場合、長年の習慣を変えていくのはやはり困難を伴います。また今まで続けていたことを変えることでストレスになる場合もあります。
先に述べたように生活リズムはある程度の期間をかけてつくっていくものです。そのため生活リズムに関連する生活習慣を一度に変えようとするのではなく、ひとつかふたつ程度に変えていく活動の焦点を絞って取り組んでいくことが生活リズムを整えていくための秘訣だと思います。
4.自分なりの睡眠
睡眠の状態が良くない場合、それが辛いことは誰にとっても同様だと思いますが、ではどのように改善するか、どのような状態がより良いかということは人によって異なってくると思います。
生活状況によっては7~8時間の睡眠時間をとることがそもそも難しいこともあるかもしれません。週単位や月単位で夜間に活動する必要がある場合は一定のリズムをつくることができないと思います。また、良い睡眠を妨げる原因になっているとわかっていてもどうしても変えられない習慣もあるかもしれません。
完璧な睡眠状態を得ようと頑張っていると、そのこと自体がストレスになって眠ることがより難しくなってしまう可能性もあります。そのため、今の生活状況の中で手をつけられそうなところから改善に取り組んでいくことが重要です。睡眠も生活習慣の一部なので、改善していくにはどうしても時間がかかってしまうものですし、あまり無理をしないことが取り組みを続けていく上で大事なことだと思います。
また、色々試してみたけれど、どうしても改善していかないという場合や睡眠の問題で生活に支障が出てしまっている場合には医療機関で相談してみることも選択肢のひとつだと思います。
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「文責:川上義之
臨床心理士、公認心理師。病院や福祉施設、学校などいくつかの職場での勤務経験があり、心理療法やデイケアの運営、生活支援などの業務を行っていました。2019年に新宿四谷心理カウンセリングルームを開設、現在は相談室でのカウンセリングをメインに行っています」
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