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2021.10.03

人との距離感

index

  1. 1.パーソナルスペース
  2. 2.物理的距離
  3. 3.言葉の遣い方
  4. 4.社会的価値観の影響
  5. 5.距離感の調整

1.パーソナルスペース

 社会生活を営む上で人間関係は欠かせないものです。複数の場所で複数の人間関係を築く人が多いのではないかと思いますが、それぞれで微妙に、あるいは大きく自分の立ち居振る舞いが違っていることに気づくことはないでしょうか。どんな場所でどんな人と付き合うかによって自分の行動や心持ちは変化するものです。

 たとえば、より公的な場面では緊張感があって抑制的に行動しているかもしれませんし、より私的な場面ではリラックスして解放的に行動しているかもしれません。このように今おかれている状況によって行動は変化しますし、他者との関わり方も違ってくると思います。

 他者がそれ以上近づいてくれば緊張感や不快感を覚えるような距離感をパーソナルスペース(縄張り感覚)といいますが、このパーソナルスペースの距離も状況や相手との関係によって変化してきます。一般的に親しい相手は近い距離感、知らない相手は遠い距離感を保つことが多いですが、状況の要因を加えるともう少し複雑になります。たとえば、親しい相手であっても公的な場面ではある程度距離を保ちたいとおもうかもしれません。さらに他者とのコミュニケーションにおいては、自分のパーソナルスペースだけでなく、相手のパーソナルスペースもあるため、両者を考慮して丁度良い距離感を調整していくことも必要です。

 パーソナルスペースはそれが緊張感や不快感などの感情と関係しているため、他者とコミュニケーションをとる上で考慮することが必要な要素のひとつです。他者とのコミュニケーションがうまくいっていないと感じる理由として、パーソナルスペースが関係していることもあると思います。近すぎたり遠すぎたりすればそれを調整していくことが必要になります。

 相手の距離感を直接変化させることは難しいので、まずは自分の距離感に気づき調整していくことが大事になります。自分が変化することで相手も変化する、ということもあります。

2.物理的距離

 では今の自分が相手とどのくらいの距離感をとっているのか知るための目安はどんなものがあるでしょう。視覚的にも把握しやすいものとしては、やはり相手との実際の距離、物理的な距離をどれくらいとっているかを見ることがその時の自分のパーソナルスペースを知る材料のひとつです。

 基本的に物理的距離が広いほど相手との心理的距離も広いと考えられますが、人によって適度な距離感は異なっていますので、同じ物理的距離が同じ心理的距離を示しているとは限りません。そのため自分の標準的な距離を知っておくことが大事ですし、標準的な距離と比べて近いか遠いかをみていくことが必要です。

 物理的距離はその場の影響を受けやすいものです。距離をとりたいと思っても狭い場所にいる時には距離をとることが難しくなりますし、賑やかな所で話をしていれば近くにいないと聞こえないかもしれません。

 そのような物理的な制約のあるなかで、自分がどのように適度な距離感との折り合いをつけているかを考えることが、自分の距離感の特徴を知るためのポイントだと思います。

3.言葉の遣い方

 人との距離感をどうとっているかは言葉遣いのなかにも表れます。特に日本語の場合は常体表現(いわゆるタメ語)と敬体(敬語)表現の区別だけでなく、敬体表現も尊敬語、謙譲語、丁寧語と細かく分かれています。日常的にそこまで細かく使い分けているわけではないかもしれませんが、その場その場で自分がどんな言葉遣いをしているかをみることで相手との距離感を測る目安になると思います。

 言葉遣いの違いは上下関係や横の関係を表すことが多いと思います。目上の人に対しては敬語を使うことが多いでしょうし、友人に対しては常体言葉を使うことが多いでしょう。ただ、相手との距離感として敬語は遠く、常体言葉は近いと必ずしも言えないところが言葉遣いの難しいところです。

 親しい相手であっても敬意を示すために敬語を使うことがあると思いますし、親しくなかったとしても後輩相手には常体言葉を使うことが多いのではないかと思います。また、第三者がいる場面ではとても親しい仲であってもあまりくだけた言葉遣いはしないように注意を払うかもしれません。

 言葉遣いから相手との距離感を知る際には、どんな言葉遣いをしているか、と同時に何故自分がそのような言葉遣いをしているかを考えていくことが重要です。

4.社会的価値観の影響

 他者との距離感をどのようにとっていくかについては、社会的な価値観の影響も大きく受けるものです。年齢、性別、立場、場所などなどにおいて、どのように振る舞うことが一般的か、ということについての合意事項が個々人の振る舞い方にも影響を与えています。

 ただ、こうした社会的な合意事項は、それが前景に出ていれば意識しやすいのですが、多くは背景要因として存在しているため気づかないまま影響を受けていることが多いと思います。

 たとえば、最近であればSNSの使い方に対する社会の意識変化があると思います。以前はSNSでの言葉遣いについて、そこまで神経質になることはなかったと思いますが、事件や法律の整備などを受けてより注意を払うようになった人が多いのではないかと思います。

 社会的価値観はその社会の中で生活している人々に対して幅広い影響を与えています。ただ、その合意事項は明文化されているものばかりではありませんし、影響への感度や理解の仕方も異なります。場合によっては、相手との間で価値観についての意識をすり合わせておくことが重要になることもあるかもしれません。

5.距離感の調整

 相手との距離感を知るための要素は物理的距離や言葉遣いだけでなく、声のトーンや視線の置き方などにも表れているかも知れません。また、距離感への影響は社会的なものだけでなく、個人的なもの、感情や思考なども影響を与えています。

 実際に相手との距離感が決定されるときに、その決定に影響を与えた要因の全てを意識しているわけではありませんし、また、明確に物理的距離や言葉遣いを決めた上で相手と関わっているわけではないと思います。距離感が決定されるといっても、意志をもってその距離を決めているというよりは、なんとなくそのくらいの距離になっているという方が実際の感覚なのではないでしょうか。

 相手との関係が良好である、少なくとも問題を感じていない場合には、他者との距離感が意識されることはないと思います。しかし、他者との間に問題が生じた場合には、その人との距離感を意識する必要があるかもしれません。

 他者との距離感は他者との関わり方、コミュニケーションのとり方に関係しています。他者との関わり方を変化させていきたいと考えた時に、その相手との距離感がどうなっているかを知ることは変化への端緒として役立つのではないかと思います。

 自分が適度だと思っていた距離感が相手にとっては近かったり遠かったりするかもしれません。その逆も当然あるでしょう。自分の距離感を調整することで、相手が相手の距離感を調整することを促すかもしれませんし、そうした相互の調整が関係の変化につながっていくのだと思います。

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「文責:川上義之
 臨床心理士、公認心理師。病院や福祉施設、学校などいくつかの職場での勤務経験があり、心理療法やデイケアの運営、生活支援などの業務を行っていました。2019年に新宿四谷心理カウンセリングルームを開設、現在は相談室でのカウンセリングをメインに行っています」

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