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2022.02.06

生活満足度と社会参加

index

  1. 1.体と心のつながり
  2. 2.生活満足度調査
  3. 3.社会との接点
  4. 4.変化に適応していく

1.体と心のつながり

 怪我や病気によって体が思うように動かせない時には気持ちも沈んでしまったり、気分の良い時には体も軽やかに動いたりする。このような体の状態と心の状態が連動しているような感覚をもつことは、生活の中で常にということはないかもしれませんが、誰しもが経験することではないかと思います。

 人の健康や満足度について考えた場合、身体的なものと精神的なものの両方を考慮していくことが大切ですが、連動しているということは一方の状態に他方が引っ張られることがあるということです。良好な方へ引っ張られることが望ましいですが、悪い方へ引っ張られてしまうこともあります。

 たとえば、免疫機能の働きは精神状態と関連していることが知られており、不安や恐怖など強い精神的ストレスを受けると自律神経系のバランスが乱れ、それによって免疫機能の働きが低下するといわれています。精神的ストレスが免疫機能に影響していることが考えられる場合、ホルモン療法や投薬治療よりも精神的なストレスをケアしていく方が免疫機能を回復させるためにはより適当かもしれません。

 身体的・精神的な健康度・満足度の両方を考慮していくことがもちろん重要ですが、時にどちらか一方を重点的にケアすることが結果的に両者の健康・満足を高めることにつながることもあると思います。

2.生活満足度調査

 身体疾患と生活満足度の関係を調べた調査として、以下のような調査研究が発表されていました。

慢性心不全発症後に9割以上の患者さんの生活満足度が低下したことが明らかに
~慢性心不全患者さんおよびご家族の実態調査より~

(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社プレスリリースより)

 この調査研究では、慢性心不全を発症した患者さんとそのご家族に対し、発症後の変化、ストレスや生活の満足度、治療中のニーズなどを調査したものです。

 結果から一部抜粋すると、患者さん本人では
〇スポーツをしなくなった
〇退職や転職をした
 ご家族では
〇友人づきあいを減らした
〇旅行に行かなくなった
 などが回答数の多かった項目です。

 また、治療中のニーズに関しては、患者さん本人、ご家族ともに
〇病気や治療について気軽に相談できる相手がほしい
〇早期発見につながる啓発活動をしてほしい
〇経験談を共有したい
 といったニーズが高いようでした。

 また、それらの変化に対しては、大小のストレスを感じている人が多く、9割以上の患者さんの生活満足度が低下していることが確認されたということでした。

 疾患の発症によって社会活動や余暇活動を縮小せざるを得なくなり、患者さん本人やご家族が孤立した状態におかれてしまったり、治療に伴って大きなストレスがかかっているにも関わらずそのストレスを発散・解消できないような生活状況におかれたりしているのではないかと思われます。

 ニーズについても相談相手や経験の共有、啓発活動の要望など社会的な関わりを求めるものではありますが、当事者だけでそれらのニーズを満たしていくことは難しく、そのような場が設けられていれば参加していきたいという事情なのではないでしょうか。

3.社会との接点

 ちなみに、上記の調査研究でもっとも多かった回答項目は、変化が『とくにない』ニーズは『あてはまるものがない』というものでした。

 疾患の重症度の違いもあるかもしれませんが、ひとつは患者さんやご家族をサポートする条件が揃っていたために特別困ることはなかったということもあるかもしれません。

 上述したように、疾患を抱えた本人と家族は社会活動や余暇活動が縮小していることがうかがわれました。疾患や怪我の治療やリハビリはある程度長期に及ぶことが多いですし、それにかかる時間・労力も大きなものです。それに対して自分たちだけでなんとかしなければならないとすれば、モチベーションを維持していくことが難しいことも想像できます。

 そのような状況を回避するためには、やはり社会との接点を維持していくことが重要になると思います。

4.変化に適応していく

 とはいっても、治療・リハビリに多大な時間と労力がかかるからこそ、その他の活動に割ける時間が少なくなってしまうということもありますし、そのような状態が続けば社会参加や余暇活動を諦めてしまう気持ちにもなってしまうと思います。

 そのような状況にならないために周囲の協力が必要なわけですが、ただ、協力を得るためには当事者からの何かしらのアクションがなければ難しいということもあると思います。地域コミュニティが密な状況にあれば誰かが困った時にはお互い様ということもあったと思いますが、現実には頼まれてもないことを勝手にやるというのは難しいと思います。

 疾患を抱える前後の変化は大きなものであることが多いですし、慢性的な物であればその変化にも長い期間付き合っていかなければなりません。場合によっては完治を望むことが難しく、いかに病状を管理していくかを考えることが必要になることもあると思います。

 慢性疾患の場合、身体的なケアと同じかそれ以上に精神的ケアや社会参加が重要になりますが、自己の状態が変化している以上、以前と同じやり方ではうまくいかないことも少なくありません。苦しい中で難しいことも多いとは思いますが、自身の変化に適応していくこと、自分を支えてくれる人を見つけていくことが重要なのだと思います。

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「文責:川上義之
 臨床心理士、公認心理師。病院や福祉施設、学校などいくつかの職場での勤務経験があり、心理療法やデイケアの運営、生活支援などの業務を行っていました。2019年に新宿四谷心理カウンセリングルームを開設、現在は相談室でのカウンセリングをメインに行っています」

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