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2023.04.27

対人関係における感覚・感情の共鳴と相手との間で生じる相互調整について

index

  1. 1.自分が感じていること
  2. 2.コントロールと相互調整
  3. 3.感覚・感情の共鳴
  4. 4.他者との関係の中で自己調整・相互調整を見直していく

1.自分が感じていること

 人には起きている時も寝ている時も何かしらの活動が起こっています。意識的に行っている活動もあれば、自分の意思とは関係なく起こっている活動もありますが、程度に差はあるものの、どちらの性質の活動もコントロールできる部分があります。

 意識的に行っている活動がある程度コントロールできるのは当たり前かもしれませんが、意思とは関係なく起こっている活動がコントロールできるというのは少しわかりづらいかもしれません。

 感覚や感情は自分が感じようと思って感じるものではありませんし、それを感じること自体をコントロールすることはできないですが、たとえば寒いと感じている時には厚着をしたり暖房を使ったりする、あるいは代謝を高めることで寒さに強い身体になるなどして寒い感覚を間接的にコントロールすることができます。気温が低い時に寒いという感覚が生じるわけですが、自分の感覚が何に影響されて起こっているかを知ることができれば、間接的な形で自分に起こっている感覚をコントロールすることができるわけです。

 自分に起こっている感覚が自分のものであるというのは当然と思うかもしれませんが、自分が感じているというだけではなく、何かしらの方法でその感覚をコントロールできるということも、その感覚が自分のものであるという認識を強めることに関わっているように思います。

2.コントロールと相互調整

 感覚や感情は自分と何かとの間に生じるものです。たとえば、何かを美しいと感じた時に、その対象がもつ『美しさ』と自分の中のその対象の性質を『美しいと感じる感覚』の両者が揃って初めて美しいという感覚が生じます。だからこそ同じものに接していたとしても人によって異なった感覚が生じることがあるのだと思います。

 自分と対象の間で何が揃うかによって起こってくる感覚は異なるわけですが、対象が無生物の場合は変わるのも変えるのも自分の側になるので、そこでのコントロールは比較的しやすいように思いますが、対象が生物、特に人が相手となるとコントロールしようとすることは容易ではありません。それぞれが自分の方向性をもっていることが多いからです。

 そのようなコントロールが難しい状況下では、コントロールしようとするのではなく、お互いに自分の感覚・感情を調整することが重要になります。自分が感じていることと相手が感じていることをお互いの間で適度なバランスを見出していくことで、お互いに居心地の良い雰囲気をつくり良好な関係を築いていくことができるのではないかと思います。

 このような自己調整と相互調整がうまく機能していない関係では、一方が他方に対して求めるだけ、あるいは退くだけの関係になってしまい、独りよがりな振る舞いをしてしまったりストレスをため込むような関係になってしまうかもしれません。

3.感覚・感情の共鳴

 自分の感覚・感情を調整するというのはわかると思いますが、相互に調整するというのは少しわかりづらいかもしれません。自分の内的な事柄は自分のものであり、相手の内的な事柄は相手のものであって、それらはそれぞれ独立していると考える人が多いのではないでしょうか。ただ、ある状況下では自分の感じているものが自分だけのものであるとは限らない場合があります。

 たとえば、傍から見てイライラ、ピリピリしている人がいて、その人と接していたら自分もイライラ、ピリピリするようになってしまったという経験をしたことがあるでしょうか。その場合、自分からすると相手の感情が自分に移ったと感じますが、相手が自分の感情に気づいていなかったとすれば、こちらの感情が移ったと感じているかもしれません。この場合、お互いが相手のせいでイライラ、ピリピリしてしまったと考えていると思います。

 この時お互いに自分の中に同じ感情が起こっていてお互いに影響を与え合っているわけですが、その感情は自分の中にあると同時に外側からきたようにも感じられると思いますし、そうなると自分の感情と相手の感情の境界は曖昧になるのではないかと思います。

 上の例では単一の感情だけを取り出して描写しましたが、実際の他者とのやりとりでは自分と相手が感じているものはもっと多くなりますし、自分が感じているもの全てをその瞬間に意識しているかというとそれは考えにくいことです。

 相互の影響は意識的なものもあれば無意識的なものもありますが、お互いに影響し合うことで感覚・感情の共鳴や共有が起こります。感じ方はそれぞれで微妙に異なるかもしれませんが、自分が感じているものと相手が感じているものが共鳴することで、相手と自分の間で生じている感覚・感情を相互に調整することが可能になります。

4.他者との関係の中で自己調整・相互調整を見直していく

 上の項では感覚・感情の調整を意識的に行っているように書きましたが、その時に感じているものの多くが無意識的なものだとすれば、自己調整、相互調整の多くは無意識に行われているものです。

 感覚・感情の共鳴が起こるとその感覚・感情が強まる方向に調整されることが多いと思います。その時の感覚・感情が楽しいとか嬉しいというものであればそのままにしておいてもいいかもしれませんが、不快や問題と感じるようなものである場合には苦しさが耐え難いものになってしまうかもしれません。

 対人関係は人それぞれ特有のパターンがありますが、人との関係の中で継続的な苦しさを感じているとすれば、もしかしたら自分が苦しくなるような自己調整や相互調整が繰り返し起こっているのかもしれません。その場合には自分にどんな調整が起こりやすいかを見直してみることが必要ですが、調整の多くは人との間で無意識的に起こっていることなので一人で見直すのは難しいかもしれません。そのため調整について考える際は人との関係の中で相手と一緒に考えていくことが重要なことだと思います。

 自己調整、相互調整は特定の相手との間だけで起こっているものではなく、どんな相手との間でも起こっているものです。そのため生じている調整を見直すこと自体はどんな相手であっても可能性はありますが、実際問題としては相手との相性であったり関係性であったり、あるいは相手との関係の重要性などの理由で、見直すことが難しかったり必要でなかったりする場合もあります。

 自分自身が抱えている問題や相手との関係で生じた困難などを乗り越えていきたいという場合には自己調整・相互調整について考えることが有用なこともあると思いますが、そうでない場合には苦しさを感じる人間関係からは距離を置いたり離れてしまったりすることも有効だと思います。

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「文責:川上義之
 臨床心理士、公認心理師。病院や福祉施設、学校などいくつかの職場での勤務経験があり、心理療法やデイケアの運営、生活支援などの業務を行っていました。2019年に新宿四谷心理カウンセリングルームを開設、現在は相談室でのカウンセリングをメインに行っています」

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