心理状態が身体に与える影響
1.心と身体の関係
沈んだ気分の時に体が重く感じたり、気分が高揚している時に仕事や勉強がはかどったりする経験はあるでしょうか。スポーツでは以前からメンタルトレーニングを取り入れるようになっており、スポーツをしている人は心と身体のつながりについて意識することが多いかもしれません。
心と身体のつながりは心身相関と呼ばれており、これは心と身体は関連しており相互に影響を与え合っているという考え方です。一方が良い(悪い)状態にある時、他方も良い(悪い)状態になる(なりやすい)というものです。
心理状態が免疫系に与える影響についても次第に明らかになってきており、心身の健康維持や病気・怪我からの回復を考える上で、心と身体のつながりを理解しておくことはとても重要になります。
2.ストレスと心身症
以前にも書きましたが、ストレスを受け続けると人には様々な症状が現れます。抑うつ気分や不安感などの精神症状は比較的ストレスとの関係がわかりやすいと思いますが、身体の痛みや疲労感、めまいなどの身体症状はストレスとの関係がわかりづらいことも多いと思います。
身体疾患のなかで特にストレスとの関係が深いといわれている疾患を「心身症」といいます。多くの種類があるので個々の疾患名を挙げることはできませんが、心身症の治療には身体面の治療だけでなく、心理面の治療・ケアを同時に行っていくことが大事になります。
3.心と身体をセットで考える
心と身体の関係が現れている例として心身症を挙げましたが、たとえば食事や運動などの生活習慣にもその時々の心理状態が影響を与えており、心と身体のつながりは生活全般に及んでいます。
そのため何か問題を抱えた時には心か身体、どちらか一方についてだけみるのではなく、心の状態と身体の状態をセットでみていくことが重要です。心の状態と身体の状態をセットで考える習慣をつけていくことで自分自身の状態を総合的に把握できると思いますし、問題にどう対処するかについても答えをだしやすくなると思います。
常に自分の心身の状態を総合的にとらえ続けることは難しいですが、たとえば、夜眠る時に呼吸や力の入り方といった身体の状態と、その時の気分や考えといった心の状態をみてみるなど、日常の中で心身の状態を同時に意識する時間をつくっていくことで、次第にそれが自分にとって自然なことになっていくのではないでしょうか。
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「文責:川上義之
臨床心理士、公認心理師。病院や福祉施設、学校などいくつかの職場での勤務経験があり、心理療法やデイケアの運営、生活支援などの業務を行っていました。2019年に新宿四谷心理カウンセリングルームを開設、現在は相談室でのカウンセリングをメインに行っています」
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