ストレスについて①
1.ストレスとは
ストレスという言葉を聞いた時、どんなことをイメージするでしょうか。たとえば、人間関係のトラブルであったり、仕事や学業でのうまくいかなさをイメージする人が多いかもしれません。
日常的な場面でストレスという言葉が使われる時は、上記のような心理的な負担を感じる事柄に対して「ストレスを感じている」と使われることが多いと思いますが、科学的な意味では暑い・寒いといった気温やインフルエンザなどの細菌に対してもストレスという言葉が使われます。
ストレスを受け続けると人は様々な反応を表しますが、そのような引き起こされた反応は『ストレス反応』、反応を引き起こすような原因は『ストレッサー』と呼ばれています。
ストレス反応には多くのものがありますが、心理と関係が深いものとしては、不安・抑うつなどの心理的反応、便秘・下痢や頭痛などの身体反応、生活習慣の乱れやアルコール依存などの行動的反応などが挙げられます。
2.心理的ストレスを感じる出来事
生活をしている日々様々な出来事が起こります。ある意味ではあらゆる出来事がストレスの原因(ストレッサー)になる可能性がありますが、場合によってはストレス反応とストレッサーの関係が分かりづらいこともあると思います。
少し古い研究になりますが、ホームズとレイエ(1967)という研究者がストレス評価の尺度をつくっていて、その中で挙げられていた出来事をいくつか挙げてみます。
・怪我や病気
・家族との不和や和解
・家族が増える
・就職あるいは退職、入学あるいは卒業
・優れた業績をあげる
・睡眠、食事など生活習慣の変化
等々
いかがでしょうか。当然ストレスを感じるだろうと思う出来事もあれば、そのような事にもストレスを感じるのかと疑問に思う出来事もあるかもしれません。
生活上、困ってしまう出来事に対してストレスを感じるというのは分かりやすいと思いますが、それだけでなく嬉しい、楽しい出来事に対してもストレスを感じる可能性があることが指摘されています。
3.ストレッサーをみきわめる
ストレスを感じる状況についていくつか挙げましたが、実際にその場面でストレスを感じるかどうかは人によって異なると思います。単にストレスを感じる感じないというだけでなく、強くストレスを感じるのか、あるいはそれほど強くは感じないのかという程度の違いもあるでしょう。
そのような個人差は自分が置かれた状況をどのように認識しているか、またその状況を自分は対処できると感じているかどうかということに関係しています。大雑把にいってしまうと、楽天的で自分に自信を持っている人はストレスを受けにくいかもしれません。ただ、そのようなタイプの人が実際のストレス状況を乗り越えていけるかどうかはまた別の問題でもあります。
ストレス状況を乗り越えていくためには、対処法を考えるだけでなく、自分が何からどの程度ストレスを感じていているのかについて考えてみる。つまり、状況を客観的に分析してストレッサーとストレス反応を見きわめていくことが大事になります。
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「文責:川上義之
臨床心理士、公認心理師。病院や福祉施設、学校などいくつかの職場での勤務経験があり、心理療法やデイケアの運営、生活支援などの業務を行っていました。2019年に新宿四谷心理カウンセリングルームを開設、現在は相談室でのカウンセリングをメインに行っています」
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