子どもの集中力
1.集中するためには
何か物事に集中するのは意識的にやろうとすると意外に難しいかもしれません。何かに集中していた時は後から気づくもので集中している時間は「自分が今集中している」とはあまり意識しないのではないでしょうか。
集中することが半ば無意識的な状態であるなら、頭がぼ~っとしていたり他に気になることがある状態では、なかなか集中状態になることは難しいように思います。
そのため集中できる状態をつくっておくことが重要になりますが、日々の生活の中で大事なこととしてはやはり十分な睡眠と栄養を取ることだと思います。
もちろん、心配事や懸念がある状況で何か他のことに集中するのは難しいかもしれませんが、そのような問題ごとは一朝一夕で解決するというものは少ないと思いますし、問題を解決するためにも自己状態を整えておくことは重要と思います。
2.子どもの場合
ただ、そうはいっても仕事の都合で十分な睡眠や決まった時間の食事がとれないことは少なくないと思いますが、大人の場合であれば、なかなか集中が難しかったとしても最低限目の前の課題に取り組むことはなんとかできるかもしれません。
しかし、これが子どもの場合になると、そもそも課題に取り組むこと自体が難しくなることが多くなります。たとえば、椅子に座っていることができずに動き回ってしまうこともあるかもしれませんし、粗暴な振る舞いをしてしまうこともあるかもしれません。
子どもは大人に比べて、当たり前の話ですが、経験していることや身に着けているスキルが少ないため自己をコントロールするための術をあまり持っていません。そのため自分のコンディションが良くない時でも対処行動をとることができず、即時的に自己の不快感を発散、表現するような行動をとっているのだと思います。
3.健康管理のフォロー
睡眠は体内のホルモン分泌や自律神経系の調整に対して重要な機能を果たしており、また食欲の昂進や抑制にも関連しています。十分な睡眠は健康維持の基礎になるとともに社会生活を営んでいく上でも大切なものです。
睡眠が重要であることは大人でも子どもでも変わりはありませんが、行動面に与える影響としては、子どもの方がより大きい場合が多いのではないかと思います。
子どもが行動面で何らかの問題を抱えている場合、睡眠や食事の状況を見直してみることも対処法のひとつかと思います。
ただ、現実的な問題として、子どもと同居している大人が働いている割合は以前よりも増加していますし、大人の生活状況が子どもの生活状況を左右している部分もあり、見直したいと思ってもなかなか難しいこともあるかもしれません。
そのような場合にどう対処していくかは家庭ごとに異なると思いますが、身内を頼ったり、民間や行政サービスを利用したりするなど、家庭で対応できないところをどう補っていくか、方法を探して見つけていくことが必要と思います。
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「文責:川上義之
臨床心理士、公認心理師。病院や福祉施設、学校などいくつかの職場での勤務経験があり、心理療法やデイケアの運営、生活支援などの業務を行っていました。2019年に新宿四谷心理カウンセリングルームを開設、現在は相談室でのカウンセリングをメインに行っています」
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