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2025.06.09

観ることのリラックス効果に対する視線移動の重要性について

index

  1. 1.適度なストレス状態を保つことの難しさ
  2. 2.庭園鑑賞でリラックスするためのポイント
  3. 3.ストレス解消をする際の意識づけ

1.適度なストレス状態を保つことの難しさ

 人は日々様々なストレスにさらされています。一般的にストレスというと心理的なストレス、不愉快な体験や感情を指すことが多いと思いますが、光や音などの感覚的な刺激もストレスの一種になります。

 適度なストレスは健康を保つ上で欠かせないものです。過度なストレスが健康状態を悪化させることはわかりやすいと思いますが、ストレスが過少でも状態を悪化させることがあります。たとえば、心理的な負荷が過剰になるとうつや不安といった精神症状を生じさせる可能性がありますし、反対に刺激が少なすぎると感情の平板化や認知機能の低下など精神の活動性が落ちる可能性もあります。

 ただ、適度なストレスといっても実際にずっとその状態を続けていくことはほとんど不可能と思います。何をどの程度ストレスに感じるかはコントロールできるものではありませんし、予期しない環境要因のストレスが生じることもあります。また、ストレスは蓄積していくものと考えられるので、個々のストレス因は強くなかったとしても、いずれは過重なものになってしまうかもしれません。

 そうしたストレス過多の状態にならないようにするためには、定期的にストレスを発散する活動を行っていくことが必要です。

 ストレス解消のための方法は人によって様々ですが、何故その方法がストレス解消になるのかと考えると、意外とわからないということがあるのではないでしょうか。好きなことだからとか楽しいからというのがわかりやすいですが、好きでやっていることであっても内容によってはぐったり疲れてしまって気力が萎えてしまうこともあるように思います。

2.庭園鑑賞でリラックスするためのポイント

 ちょっとした運動習慣と気晴らしを兼ねて散歩をしている人もいると思います。散歩する場所は近所だったり公園だったりするかもしれませんが、近くにあれば日本庭園がストレス緩和により効果的になるかもしれません。

日本庭園鑑賞によるストレス軽減効果の仕組みを科学的に解明

(長崎大学プレスリリース)

 この研究は京都にある無鄰菴(むりんあん)と京都大学構内の庭園を鑑賞した際の、視線の移動と心身の変化を調査したものです。

 結論からいうと、無鄰菴を鑑賞した時には心拍数の低下と気分の改善が見られたということでしたが、そのポイントは視線の移動にあるようです。無鄰菴はよく整えられた庭園で、視線が自然と左右に動くように各要素が配置されており、実験参加者の視線は特定の要素に留まることなく全体を見渡すように動いていました。それに対して京都大学の庭園は手入れが簡素で、ごみや雑草が目立ち、庭園の意匠は単調だったためか、実験参加者の視線の動きは少なかったようです。

 美しく整えられた庭園とあまり手入れされていない庭園では、見る人の心に残す印象は大きな違いがあるように思いますが、整えられてはいても視線移動が少ない庭園の場合には、また違った結果になるのかもしれません。

 論文の中でも触れられていましたが、視線移動とストレス緩和というとEMDRという治療法が思い浮かびます。EMDRは話すことやイメージすることに合わせて視線移動を繰り返すことで、トラウマ記憶やストレスを軽減する効果があるため、やはり視線移動が多いことは重要なポイントなのだと思います。

3.ストレス解消をする際の意識づけ

 ストレス解消を目的として庭園を鑑賞する場合、視線を移動を増やすことでストレス軽減がより効果的になることがわかりましたが、このような視線移動の効果は庭園鑑賞に限るものではないかもしれません。たとえば、絵画鑑賞においても絵の細部まで視線を動かして観ることでリラックス効果や鑑賞の充実感が高まる可能性があるのではないかと思います。

 視線移動を眼球運動と考えると、身体的な動きが心理状態に影響を与えるのだと思います。部分的な運動と全身的な運動という違いはありますが、スポーツなどの活動にストレス軽減効果があることと似たようなメカニズムがあるのかもしれません。

 ただ、同じくストレス軽減になるにしても、今回取り上げたような庭園鑑賞とスポーツでは大きな違いがあります。庭園鑑賞では気分状態の改善とともに心拍数の低下が見られましたが、スポーツでは反対に心拍数は増加します。それらが同じようにストレス軽減につながるとするなら、一口にストレス緩和と言っても、心身を鎮静させる方法と心身を興奮させる方法の二通りがあるということだと思います。

 興奮状態はストレスがかかった状態だと思われますが、あえてストレスをかけることで溜まっているストレスを押し流すようなものなのかもしれません。好みやその時の状態にもよりますが、適度なストレスという観点からは、鎮静的な方法と興奮的な方法の両者を取り入れると心身の状態をバランスさせるのに効果的だと思います。

 ストレス解消をする時に、色々と考えずに行うことが大事な時もあると思いますが、時々今回取り上げたような視線の動きであったり、鎮静と興奮のバランスだったりを意識してみると、より効果的に解消ができるかもしれません。

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「文責:川上義之
 臨床心理士、公認心理師。病院や福祉施設、学校などいくつかの職場での勤務経験があり、心理療法やデイケアの運営、生活支援などの業務を行っていました。2019年に新宿四谷心理カウンセリングルームを開設、現在は相談室でのカウンセリングをメインに行っています」

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