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2025.07.27

困った時に頼れる相手と普段からの関係作りの重要性

index

  1. 1.困った時に頼れること
  2. 2.産後うつと頼れる人数の関係
  3. 3.普段からの関係作り

1.困った時に頼れること

 困った時苦しい時に頼れる相手がいるというのは心強いものです。全ての事柄に独力で対処していくのは現実的には厳しいですし、身体的精神的に弱っている時には尚更です。そういう時に支えになってくれる人が周囲にいれば、困難を乗り越えていける可能性は高くなります。

 ただ、頼れる支えになると一言でいっても実際にどんなことがあると助かるのかは人によって、あるいは状況によって異なると思います。ただ傍にいるだけで十分だと感じられる場合もあれば、何か具体的な力添えを必要とする場合もあると思います。

 また、頼れる相手というのも様々だと思います。家族や友人といった身近な人物であったり、医療や法律など専門的な仕事に就いている人物であったりします。どんなことを必要とするかということとも関連しますが、求めることに応じられるかどうかは相手がもっている知識や経験に左右されますし、頼る相手が複数いれば役割分担という形になることもあります。

 身近な人の方が安心して頼りやすいことが多いとは思いますが、何かしら事情があって頼ることができない場合もあると思いますし、あるいは特定の相手だけに頼ることが続いてしまうと、相手の負担が大きくなってしまい、結果として頼ることができなくなってしまうこともあります。相性の問題があるので頼りやすい相手、頼りにくい相手というのはあると思いますが、頼れる相手が複数いることで継続的に支えになる状況がつくりやすくなります。

 では、支えになってくれる人がどれくらいいると十分と感じられるでしょうか。これは特に苦しい状況の時について考えると判断が難しいように思います。そうなってみないと判らないということもありますし、精神状態が不安定な時には思ってもみなかったことが起こることも少なくないからです。

2.産後うつと頼れる人数の関係

 身体的精神的に苦しい状態になれば、基本的にはどんな人であっても支援が必要と思いますが、今回は初産時に産後うつの状態になった人が、うつ状態を軽減するために心の支えとなる人を何人必要とするのかということを取り上げます。

 産後うつに関する研究が本格的に行われるようになったのは1980年代から1990年代にかけてのようですが、近年少子化対策としていくつかの施策が実施されるようになったことで、注目されることが増えてきたように思います。

 妊娠出産に伴う身体的心理的なしんどさや生活様式の変化も関係しますが、妊娠出産時にはホルモンバランスの変化も大きく、たとえ注意していたとしても精神的に不安定になりやすいため、産後の精神状態の悪化は避けがたいものかもしれません。特に初産時に何もかもが初めての経験になるので、事前に想定したとしても限界があると思いますし、支えになる人もより多く必要とするかもしれません。

若い初産妊婦の産後うつ症状軽減には、妊娠中に頼れる人が「6人以上」必要
―東京都妊産婦コホート研究から明らかに―

(東京都医学総合研究所プレスリリース)

 妊娠出産時には心身の変化によって今まで困らなかったようなことに困ってしまうこともありますが、うつ状態になるとそれが広がってしまい、対処できないことが続いてさらに精神状態を悪化させてしまうという負のループになってしまうこともあります。

 そうした状態を改善するためには頼れる相手が必要になりますが、上記の研究によると、全年齢で4人以上、25歳以下の年齢に限ると6人以上の頼れる相手がいるとうつ症状が改善されたということでした。産後うつの発症に年齢との関連は認められないようでしたが、年齢が低いと頼れる相手をより多く必要とするのは、それまでに重ねた経験の違いや人間関係の安定性などが関連しているかもしれません。

 うつ症状が改善されるくらいの頼れる相手がいる人の割合は、全年齢では54.8%でしたが、25歳以下では22.9%と低い水準で、人数が多くなることもあってそれを満たす人はどうしても少なくなってしまうようでした。そのため産後うつが発症した場合、年齢が低いとそれが長引いてしまう可能性が高いということになります。

3.普段からの関係作り

 産後うつを軽減するために必要とする人数が多いということもありますが、25歳以下の人で頼れる相手が十分にいる割合が約23%というのは厳しい数字ではあります。全年齢では約55%と数値は上がりますが、逆から見ると約半数の人は頼れる相手が十分でないということでもありますし、支援体制の拡充が求められるというのはその通りと思います。

 ただ、制度面を充実させるだけでは十分ではないように思います。たとえば極端ではありますが、人数は十分だったとしても初対面の相手ばかりでは緊張してしまって安心してサポートを受けることが難しいかもしれませんし、とても仲の良い相手であっても友人に子どもを預けることはためらってしまうと思います。

 これは産後うつの状況に限らないと思いますが、理想的には家族、友人、支援者というように関係性の異なる領域ごとに頼れる相手がいることが望ましいとは思います。ただ、やはり人それぞれ事情が異なるので、特定の領域で頼れる相手を見つけることが難しい場合もあると思います。そのため普段からの関係作りが大事ですし、馴染んだ場所を離れて生活している場合には特に重要でしょう。

 即応性という点では制度面でカバーすることの方が適していると思います。病気や怪我で動けない時の救急要請はとても頼りになりますが、ただ、同じ救急隊員がサポートを続けていくことはできないので、安心感や継続性という点では普段から関係を重ねている相手の方が適しています。

 家族、友人、支援者と頼る相手によってできるサポートは異なりますが、馴染みがあって頼れる相手が少なくとも一人はいるというのは、全くいない状況と比べたら気持ちのありようは全然違うと思います。ただ、やはり一人では限度がありますので、そこから少しずつ関係作りを広げていくことが大切だと思います。

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「文責:川上義之
 臨床心理士、公認心理師。病院や福祉施設、学校などいくつかの職場での勤務経験があり、心理療法やデイケアの運営、生活支援などの業務を行っていました。2019年に新宿四谷心理カウンセリングルームを開設、現在は相談室でのカウンセリングをメインに行っています」

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